解約・返金の規約の書き方:出口の種類を先に決める設計の順序

解約や返金の規定は、「返金しません」の一文から書き始めると、法律上すでに開いている出口と食い違います。取引の型、法定の出口、約定の出口、金額、手続、表示の順に決め、規約・契約書・キャンセルポリシー・特商法に基づく表記・申込み画面のどこに何を書くかを先に決めます。

トップページ › 解約・返金の規約の書き方:出口の種類を先に決める設計の順序
規約に書いたから有効、とは限りません。通信販売では解約や返品の条件を広告と申込み画面にも表示する義務があり、表示がなければ規約があっても法定の返品が認められます。

このページの要点

  • 決める順序は、取引の型、法定の出口、約定の出口、金額、手続、表示。金額は四番目で、最初に決めるものではない。
  • クーリング・オフなど法定の出口は、規約に「できない」と書いても消せない。先に確かめてから規約に正しく書く。
  • 通信販売では、申込みの撤回・解除に関する事項を広告と申込み画面にも表示する(特商法11条、12条の6)。規約の中だけでは足りない。
  • 書類の優先関係と、規約の変更の周知の手順を決めておく。取引の内容、決済、法令が変わったときが見直しの合図になる。

結論:「返金しない」の一文から書き始めず、取引の型の見極めから順に決める

解約・退会・返金・キャンセルの規定を作るとき、最初に考えがちなのは「払ったお金は返さないと書くか」「キャンセル料を何割にするか」という金額の話です。しかし、契約書作成の実務の経験をもとにすると、この順序で進めた規定ほど、あとで書き直しが必要になりがちです。理由は単純で、その取引に法律上すでにどんな出口が開いているかによって、契約で自由に書ける範囲が決まってしまうからです。出口を確かめる前に金額を決めると、決めた金額そのものが、法律の定めと食い違ってしまうことがあります。

このページは、業種を問わず使える「設計の順序」と、書類ごとの置き場所の全体地図です。結論を先にまとめると、次のとおりです。

  • 決める順序は、取引の型、法定の出口、約定の出口、金額、手続、表示の六つ。金額は四番目で、最初ではない。
  • 法定の出口(クーリング・オフなど、法律が認める出口)は、規約に「できない」と書いても消せない。先に確かめ、そのうえで規約に正しく書く。
  • 規約、契約書、キャンセルポリシー、特商法に基づく表記、申込み画面は役割が違う。解約と返金の条件を、どの書類にどこまで書くかを先に決める。
  • 書類どうしが食い違ったときに、どれが優先するかを書いておく。ただし、優先関係を書いても、消費者に一方的に不利な条項が有効になるわけではない。
  • 規定は、取引の内容、料金、決済手段、法令のいずれかが変わるたびに見直す。見直しの合図をあらかじめ決めておく。

なお、この解説サイトでは、飲食、撮影、教室、オンライン講座、ネット通販といった業種ごとの個別の規定ではなく、どの業種にも共通する考え方を扱います。個々の論点は、出口の種類の見分け方、無効になりやすい条項の点検、キャンセル料と平均的な損害の各ページで順に深めます。

設計の順序:六つの段階を、この順番で決める

規定づくりが行き詰まる典型は、どこから手を付けるかが決まらないまま、他社の規約の文言を持ち寄って継ぎ合わせることです。継ぎ合わせた規約は、条文どうしの前提が合わず、運用とも食い違います。次の六段階を順に決めると、必要な条項と、決める必要のない条項が見えてきます。

解約・返金の規定を組み立てる順序

  1. 取引の型を見分ける誰に売るのか(個人か事業者か)、何を売るのか(商品、役務、権利)、どう売るのか(店舗、訪問、インターネットなどの通信販売、電話での勧誘、継続的な役務の提供)を整理します。型が決まると、次の段階の答えがほぼ決まります。
  2. 法定の出口を確かめるクーリング・オフ、通信販売の法定の返品、特定継続的役務提供の中途解約、消費者契約法による取消しと無効、民法による解除のうち、その取引に開いている出口を確かめます。ここは契約で消せない部分です。
  3. 約定の出口を決める法定の出口とは別に、契約で定める解約、退会、キャンセル、返金の仕組みを決めます。「いつまでなら、どんな方法で、誰が、何を理由に」できるのかを書きます。
  4. 金額を決めるキャンセル料の段階、返金額の計算、控除する費用を決めます。金額は、時期や費用の区分ごとに根拠を説明できる形にします。
  5. 手続を決める解約の申出の方法、受付の時間、効力が生じる時点、返金の期限と方法を決めます。申出の入口が分かりにくいと、金額の定めが整っていても、争いが生じます。
  6. 表示をそろえる広告、申込み画面、規約、契約書、特商法に基づく表記のどこに何を書くかを決め、内容を一致させます。最後に全体を読み比べます。

段階を飛ばすと、後ろの段階の条文が前提を欠きます。たとえば、第二段階を確かめずに第四段階の金額を決めると、法定の出口が使われた場合に、決めた金額が請求できなくなることがあります。

六段階のうち、見落とされやすいのは第二段階です。クーリング・オフは「あるかないか」の二択ではなく、取引の型によって、あるものとないものがはっきり分かれます。たとえば、訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供、連鎖販売取引、業務提供誘引販売取引、訪問購入には、特定商取引法(以下「特商法」といいます)にクーリング・オフが定められています。一方、インターネットなどで申込みを受ける通信販売には、クーリング・オフはありません。この仕分けは、取引の型ごとに開く出口の比較で詳しく整理します。

書類の置き場所:どの書類に、解約と返金のどこまでを書くか

解約・返金に関する内容は、一つの書類に収まりません。実務で見かける書類は、利用規約や会員規約、個別の契約書、キャンセルポリシー、特商法に基づく表記、申込み画面の表示、広告や案内ページの六つに分かれます。それぞれの役割を決めずに書き始めると、同じ内容を複数の書類に別々の言葉で書くことになり、食い違いの原因になります。

書類ごとの役割と、解約・返金について置く内容

書類主な役割解約・返金について置く内容置き場所の注意
利用規約・会員規約多数の利用者に共通する条件を定める解約・退会の方法と効力、返金の基本ルール、規約変更の手順、法定の出口との関係定型約款に当たる場合は、個別の条項にも合意したものとみなされる仕組みが働く(民法548条の2)。ただし、一方的に不利な条項は除かれる
個別の契約書・申込書一人ひとりの取引条件(料金、期間、回数)を定める契約期間、料金、キャンセル料の具体的な区分、個別の返金条件規約との優先関係を明記する。個別の定めが規約と食い違うなら、どちらを優先するかを書く
キャンセルポリシー予約や申込みの取消しに関する条件を一覧にする時期の区分、料率や費目、日数の数え方、通知の到達時点、日程変更の扱い規約と別に置く場合は、規約の一部であること、優先関係を冒頭に書く
特商法に基づく表記通信販売で、法律が定める事項を表示する申込みの撤回または解除に関する事項(返品の特約を含む)、事業者の氏名・住所・電話番号など見やすい箇所に、明瞭に判読できるように表示する。規約の奥にだけ書いても足りない
申込み画面・最終確認画面申込みの直前に条件を確認させる分量、代金、支払の時期と方法、引渡しや提供の時期、申込みの撤回または解除に関する事項誤認させる表示をしてはならない。画面の表示と規約が食い違わないようにする
広告・案内ページ契約前に条件を知らせる返金保証や返品の特約を打ち出す場合は、その条件を同じ画面で示す広告に書いた条件と、規約の条件を同じにする

表の中の「特商法に基づく表記」と「申込み画面」は、通信販売をする場合の話です。特商法11条は、通信販売の広告に、販売価格、支払の時期と方法、商品の引渡しや役務の提供の時期とともに、「申込みの撤回又は解除に関する事項」を表示するよう定めています(11条1号から5号)。さらに、特商法12条の6は、申込みを受ける画面(法律の用語では「特定申込み」を受ける書面や手続の画面)にも、分量や、11条1号から5号の事項を表示するよう定めており、これらの事項について人を誤認させる表示をすることを禁じています。したがって、通信販売では、解約や返品の条件を規約の中だけに置くことはできません。店舗だけで販売し、通信販売に当たらない取引では、この表示の義務は生じません。どちらに当たるかは、申込みを受ける方法で決まります(特商法2条2項)。

表の「置き場所の注意」の欄に共通するのは、同じ事実を複数の書類に書くときは、書類を横に並べて、言い回しではなく内容を一致させるということです。たとえば、キャンセル料の区分を規約とキャンセルポリシーの両方に書くなら、日数の数え方、通知が届いたとされる時点、無断欠席の扱いまで、同じ書き方にします。食い違いの防ぎ方は、広告・申込み画面・規約・特商法表記の整合のページで具体的に扱います。

「返金しない」から始めない理由:全面不返還の書き方が抱える三つの問題

「いかなる場合も返金しません」「開始後は一切返金しません」という書き方は、多くの契約書で見られる傾向として、手軽で強い印象を与えるため、最初に採用されがちです。ところが、この一文には三つの問題があります。

一つ目は、法律が定める出口を消せないことです。特商法のクーリング・オフに関する規定には、これに反する特約で申込者に不利なものは無効とする旨が定められています。訪問販売は9条8項、電話勧誘販売は24条8項、特定継続的役務提供は48条8項と49条7項です。「返金しない」と書いても、クーリング・オフを使われれば、書いたとおりには運用できません。

二つ目は、消費者契約法による無効です。消費者契約法8条1項は、事業者の債務不履行によって消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項や、事業者に責任の有無を決める権限を与える条項を無効としています。8条の2は、事業者の債務不履行により生じた消費者の解除権を放棄させる条項を無効としています。また、9条1項1号は、解除に伴う違約金などのうち、同種の契約の解除で事業者に生ずる平均的な損害の額を超える部分を無効とします。さらに10条は、消費者の権利を制限したり義務を加重したりする条項のうち、信義誠実の原則(民法1条2項)に反して消費者の利益を一方的に害するものを無効とします。全面不返還の条項は、これらのどれにも触れやすい書き方です。

三つ目は、運用との食い違いです。実際には、事業者の都合で提供できなかったときや、手違いで二重に請求したときには返金しているのに、規約は「一切返金しない」と書いている、という食い違いが生じます。規約と実際の運用が違うと、返金を受けた人と受けなかった人の間で不公平感が生じ、条項の合理性自体が疑われます。

では、どう書くか。返金しないと決めたい部分を、既に提供した分の対価、手配が済んだ実費、預り金、違約金、入会金のように性質ごとに分け、それぞれについて返金するかしないかを理由とともに書く、という方法があります。この分解の方法は、「返金しない」条項を分けて書くページで扱います。ここでは、書き方の違いを、一般的な例で比べてみます。

書き方の例(一般的な例) 「返金しない」を中心にした書き方と、出口を前提にした書き方

全面不返還

よくある書き方申込み後は、いかなる理由があっても、支払済みの料金は返金しません。
整えた書き方法令上返金が必要な場合を除き、次の各号に定める費用は返金しません。(1)既に提供したサービスの対価、(2)第三者に支払済みで取り戻せない費用。これに当たらない料金は、申出を受けた日の属する月の末日までに返金します。

理由返金しない範囲を性質で絞り、法定の出口の存在を明記することで、条項全体が無効とされる危険を下げる。

事業者の裁量

よくある書き方返金の可否と金額は、当社が個別に決定します。
整えた書き方返金の事由、金額の計算方法、期限を本規約に定め、これに沿って返金します。

理由返金の有無や金額を事業者だけで決める権限を与える書き方は、消費者契約法8条1項の対象になり得る。基準を条文に書く。

置き場所

よくある書き方解約・返金の条件は、利用規約第○条に定めます。
整えた書き方解約・返金の条件を、申込み画面と特商法に基づく表記にも同じ内容で表示し、利用規約の該当条項を示す。

理由通信販売では、申込みの撤回・解除に関する事項を広告と申込み画面に表示する義務がある(特商法11条、12条の6)。

優先関係と変更:書類どうしの食い違いに備える

書類が複数ある以上、食い違いは起こりがちです。そこで、少なくとも次の三点は決めておきます。

第一に、書類の優先関係です。個別の契約書や申込書は規約より具体的なので、通常は個別の書面を優先し、規約が補う形にします。キャンセルポリシーを規約と別に置くなら、規約の一部として扱うのか、独立した書面として扱うのかを冒頭に書きます。優先関係を定めておかないと、どの書類が契約の内容なのかという入口から争うことになります。ただし、優先関係の条項は、あくまで食い違いを整理するためのものです。消費者に一方的に不利な内容を、優先の条項で有効にすることはできません。

第二に、規約がそもそも契約の内容になるための前提です。民法は、不特定多数を相手に、内容が画一的であることが双方にとって合理的な取引を「定型取引」とし、その取引で契約の内容にするために準備された条項の総体を「定型約款」と呼びます(民法548条の2第1項)。定型約款は、契約の内容とする旨を合意したとき、または、あらかじめその旨を相手方に表示していたときに、個別の条項にも合意したものとみなされます。ただし、相手方の権利を制限し、義務を加重する条項のうち、信義誠実の原則に反して相手方の利益を一方的に害するものは、合意をしなかったものとみなされます(同条2項)。つまり、規約に載せたことと、有効であることは別です。一人ひとりと個別に条件を交渉する取引は、定型約款に当たらないことがあります。当たるかどうかは、取引の実態で決まります。

第三に、変更の手順です。規約を変えるたびに、全員から同意をとり直すのは現実的でありません。民法548条の4は、変更が相手方の一般の利益に適合するとき、または契約の目的に反せず、変更の必要性や相当性などに照らして合理的であるときに、個別の合意なしに契約の内容を変更できるとしています。その場合は、効力発生時期を定め、変更の旨と変更後の内容をインターネットなどの適切な方法で周知しなければなりません(同条2項)。合理性を根拠とする変更は、効力発生時期までに周知をしなければ効力を生じません(同条3項)。解約や返金の条件のような、利用者の利害が大きい条項を変えるときは、周知の方法と期間を、あらかじめ運用として決めておきます。

この設計に関わる主な条文

消費者契約法3条1項1号

事業者は、条項を定めるに当たり、消費者の権利義務その他の内容が、解釈に疑義が生じない明確なもので、消費者にとって平易なものになるよう配慮する努力義務を負う。

読むとき努力義務なので、これに反しても直ちに条項が無効になるとは限らない。ただし、不明確な条項は、争いの入口になる。

消費者契約法3条1項4号

消費者の求めに応じて、契約で定められた消費者の解除権の行使に関して必要な情報を提供するよう努める。

読むとき解約の方法が分からないという問い合わせに、答えられる状態にしておく。

民法548条の2第2項

定型約款の条項のうち、相手方の利益を一方的に害するものは、合意しなかったものとみなされる。

読むとき規約に書いたことと、有効であることは別。

民法548条の4

定型約款の変更の要件と、周知の義務。

読むとき解約・返金の条件の変更は、周知の方法と効力発生時期を運用で決めておく。

特定商取引法11条5号・12条の6

通信販売の広告と申込み画面に、申込みの撤回または解除に関する事項を表示する。

読むとき規約だけに書いて済ませない。

条文は e-Gov 法令検索で参照できます。

自社に必要な書類を判定する:確認の問いと理由

自社にどの書類が要るかは、取引の型で決まります。次の問いに順に答えると、必要な書類の見当がつきます。

確認の問いと理由書類の要否を決めるための問い

  1. お客様は個人ですか、事業者ですか。

    個人(事業のためでなく契約する人)が相手なら、消費者契約法の対象になります(同法2条)。営業のための契約は、特商法の通信販売などの規定の適用から除かれます(特商法26条1項1号)。両方が混じるなら、申込みの入口で区別します。

  2. 申込みを受ける方法は、店頭、訪問、インターネット、電話のどれですか。

    方法によって、通信販売の表示義務、クーリング・オフの有無が変わります。複数の方法を併用するなら、方法ごとに整理します。

  3. 提供するのは商品ですか、役務(サービス)ですか。継続的ですか。

    通信販売の法定の返品(特商法15条の3)は商品と特定権利が対象です。継続的な役務のうち政令で指定されたものには、中途解約の定めがあります(特商法49条)。

  4. 料金の受け取りは前払いですか、後払いですか、分割ですか。

    前払いなら返金の手続が必要になります。分割払いやクレジットが入るなら、別の仕組みが加わります。

  5. 自動更新や月額の仕組みはありますか。

    継続課金は、申込み画面の表示、更新停止の期限、解約の締め日を決める必要があります。

  6. 申込みから提供まで、手配や仕入れなど、取消しで戻らない費用が発生しますか。

    戻らない費用は、キャンセル料の根拠になります。発生の時期を整理しておくと、金額の区分が決まります。

答えをメモにしておくと、六段階のそれぞれで何を書くかが決まります。

見直しの時期:規定を点検するきっかけ

解約・返金の規定は、作ったときが正しくても、時間とともに現実と離れます。実務でよく見られる例として、料金プランを増やしたのにキャンセル料の区分を直していない、決済手段を追加したのに返金の方法の記載が古いまま、という食い違いがあります。次のような出来事を合図にして、見直します。

見直しの合図と、点検する項目

  • 料金プラン、提供の期間、回数、定員など、取引の内容を変えたとき。キャンセル料の区分と返金の計算を点検します。
  • 決済の手段を増やしたり、減らしたりしたとき。返金の方法、手数料の負担、返金の期限を点検します。
  • 個人向けに加えて事業者向けの販売を始めたとき。条項を分けるか、申込みの入口で区別します。
  • 返金の要求や問い合わせが重なったとき。規定の分かりにくい箇所を洗い出します。
  • 関係する法令が改正されたとき。条文を最新の内容で確認します。未施行の改正は、施行日を確認してから反映します。
  • 広告や申込み画面の表示を変えたとき。規約、特商法に基づく表記との一致を確認します。
  • 一年に一度、全体を読み比べる日を決めたとき。表示と運用の食い違いを洗い出します。

起きがちなこと:設計の順序を飛ばしたときの典型例

最後に、順序を飛ばしたときに生じやすい食い違いを挙げます。いずれも、特定の事業者に限らず、解約・返金の規定でよく見られる傾向です。

起きがちなこと

  • 金額から決めてしまい、法定の出口で請求できなくなる。クーリング・オフが働く取引なのに、規約にキャンセル料を定めてしまう例です。
  • 「返金しない」の一文に頼り、返金の例外を何も書かない。事業者の都合で提供できなかった場合まで返金しないと読める書き方になります。
  • 規約には書いたが、申込み画面と特商法に基づく表記には書いていない。通信販売では、表示の義務を満たしていないことになります。
  • 規約、契約書、キャンセルポリシーのそれぞれに別の言葉で同じ内容を書き、食い違う。日数の数え方や、通知が届いたとされる時点がずれる例が目立ちます。
  • 解約の申出の入口が分かりにくい。条項は整っていても、申出の方法を探せずに争いになります。
  • 見直しの合図を決めていない。取引の内容が変わっても、規定が古いままになります。

これらは、個々の条文の文言を整えるだけでは防げません。取引の型と出口を先に確かめ、書類の置き場所を決めることで、はじめて防げます。次に読むページは、取引の型が分からない場合は出口の見分け方、書こうとしている条項が無効にならないか不安な場合は無効になりやすい条項の点検、キャンセル料の金額の根拠を問われた場合は平均的な損害の考え方です。返金要求を受けたときの対応は、トラブルへの対応と質問のページにまとめます。

よくあるご質問

解約・返金の規定は、何から決めればよいですか。

取引の型です。個人に売るのか事業者に売るのか、商品か役務か、店頭か通信販売か、継続的な提供か、を整理します。型が決まると、クーリング・オフや通信販売の返品など、法律上開いている出口が分かります。そのうえで、約定の解約、金額、手続、表示の順に決めます。金額から決めると、法定の出口と食い違うことがあります。

規約に「返金しない」と書けば、クーリング・オフも使えなくなりますか。

なりません。特商法のクーリング・オフに関する規定は、これに反する特約で申込者に不利なものを無効としています(訪問販売は9条8項、電話勧誘販売は24条8項、特定継続的役務提供は48条8項と49条7項など)。また、クーリング・オフのない取引でも、全部免責や過大な違約金の条項は、消費者契約法8条、9条、10条により無効となることがあります。

ネットショップなどの通信販売でも、解約や返品の条件の表示は必要ですか。

必要です。特商法11条は、通信販売の広告に、申込みの撤回または解除に関する事項を表示するよう定めています。さらに、申込みを受ける画面にも、12条の6により、同じ事項を表示し、誤認させる表示をしてはならないとされています。規約の中だけに書くのでは足りません。表示の方法は、特商法施行規則24条3号が、顧客にとって見やすい箇所に明瞭に判読できるように表示する方法などと定めています。

規約とキャンセルポリシーを別々に作ると、どちらが優先しますか。

法律が一律に決めているわけではなく、書類に書かれた優先関係と、契約の内容で決まります。そのため、冒頭または最終条項に、どの書類がどの書類に優先するかを書いておきます。個別の契約書や申込書があるなら、通常は個別の書面を優先します。ただし、優先関係を書いても、消費者に一方的に不利な条項が有効になるわけではありません。

解約・返金の規定は、どのくらいの頻度で見直せばよいですか。

頻度よりも、きっかけで決めます。料金や回数など取引の内容を変えたとき、決済手段を増やしたとき、事業者向けの販売を始めたとき、返金の問い合わせが重なったとき、関係法令が改正されたときです。それに加えて、年に一度、広告、申込み画面、規約、特商法に基づく表記を並べて読み比べる日を決めておくと、食い違いに気づきやすくなります。

あわせて読みたいページ

本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、取引の内容や契約の経緯によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索で参照できます。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 特定商取引法ガイド / 国民生活センター

アトラス行政書士法人|毎日5組限定契約書・利用規約の無料チェックお手元の書類の問題点を、行政書士が詳しく指摘します。1書類につき24時間以内に回答・お1人様3種類まで無料チェックの詳細を見る›

ご依頼の前に:対応の内容

詳しい内容を見る

解約・退会・返金・キャンセルポリシーの規定でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

公式LINEで無料相談する
アトラス行政書士法人 公式LINEの友だち追加QRコード
  1. 公式LINEを友だち追加
  2. 「解約・返金・キャンセルポリシーの作り方ガイドを見た」とメッセージを送信
  3. ご相談内容を確認し、LINEでご返信します(365日・深夜や休祭日も通常対応)

相談無料です。料金が発生するのは、お申込みいただいた書類の作成・点検だけです。

LINEで友だち追加して無料相談する

申込フォーム・お電話でもご相談いただけます。

ご依頼・納品の流れを見る