このページの要点
- 無効になるのは、区分に応じた平均的な損害の額を超える部分(消費者契約法9条1項1号)。比べる相手は、同種の契約の解除に伴い当該事業者に生ずる損害。
- 区分は解除の事由と時期で立て、各区分で人件費、手配済みの実費、第三者へのキャンセル料、再販できないことによる損失を積み上げる。再販できた分は差し引く。
- 説明を求められたら算定根拠の概要を説明する努力義務がある(9条2項)。適格消費者団体も説明を要請できる(12条の4)。見積もりの資料を残す。
- キャンセル料と遅延損害金は別の基準で点検される。遅延損害金は年十四・六パーセントを超える部分が無効(9条1項2号)。
結論:キャンセル料は「区分ごとに」「事業者に生じる損害の範囲で」決め、根拠を説明できる形にしておく
キャンセル料の金額を決めるとき、「他社が三割と書いているから三割」「当日は全額」と、感覚や慣行で決めてしまうことは少なくありません。しかし、個人が相手の契約(消費者契約)では、キャンセル料のような解除に伴う違約金や損害賠償の予定額は、消費者契約法9条1項1号による制限を受けます。同号は、解除に伴う損害賠償の額を予定し、または違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、条項で設定された解除の事由、時期などの区分に応じ、同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるときは、その超える部分を無効とします。
この条文から読み取れる決め方の骨組みは、三つです。第一に、金額は一律ではなく、解除の事由や時期などの区分ごとに考える。第二に、各区分で、同種の契約が解除されたときに事業者に生ずる平均的な損害を見積もる。第三に、定めた金額が、その平均的な損害の額を超えないようにする。超えると、超えた部分が無効になります。契約書作成の実務の経験をもとにすると、金額そのものよりも、区分の立て方と、根拠の整理の仕方で、条項の強さが決まります。要点は次のとおりです。
- 無効になるのは、キャンセル料の全部ではなく、「平均的な損害の額を超える部分」。ただし、その部分を特定して示す責任は、条項を設ける側が負うことになる。
- 比べる相手は、同種の契約の解除に伴って「当該事業者」に生ずる平均的な損害。業界全体の標準ではなく、自社の取引の実態が基準になる。
- 区分は、解除の事由と時期で立てる。時期が進むほど損害が増えるなら、段階を分ける。
- 損害の費目は、人件費、手配済みの実費、第三者に支払うキャンセル料、再び販売できないことによる損失などに分けて積み上げる。再販や代替ができる場合は、その分だけ損害が減る。
- 消費者から説明を求められたら、算定の根拠の概要を説明する努力義務がある(9条2項)。適格消費者団体も説明を要請できる(12条の4)。
キャンセル料の型(割合型、費目別型、回数消化型、定額型)の比較と日数の数え方はキャンセルポリシーの作り方のページで扱います。ここでは、金額の根拠の整え方に絞ります。また、条項自体が無効になる別の類型は無効になりやすい条項の点検のページを参照してください。
9条1項1号の読み方:七つの語句を一つずつ確かめる
9条1項1号は一文が長く、読み飛ばすと誤解が生じます。区切って確かめます。
消費者契約法9条の構造
「解除に伴う」
9条1項1号が対象にするのは、消費者契約の解除に伴う損害賠償の額の予定や違約金。
読むとき単なる契約違反(たとえば利用規則の違反)に対する違約金は、この号の直接の対象ではない。ほかの条文(10条など)で点検する。
「損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項」
民法420条は、当事者が債務不履行について損害賠償の額を予定できるとし、違約金は賠償額の予定と推定するとしている。
読むとき「キャンセル料」「解約手数料」「違約金」と名前が変わっても、解除に伴って消費者が支払うものは、実質で判断される。
「これらを合算した額」
損害賠償の予定額と違約金を合計した額が基準になる。
読むとき二つを別々に定めても、合計で見られる。
「解除の事由、時期等の区分に応じ」
条項で設定した区分ごとに、平均的な損害と比べる。
読むとき区分が粗いと、損害の小さい場面にも高い金額が適用されることになり、超える部分が生じやすい。
「同種の消費者契約の解除に伴い」
同種の契約が解除された場合の平均を考える。
読むとき一件ごとの実際の損害ではなく、類型としての平均を見る。
「当該事業者に生ずべき平均的な損害の額」
当該事業者、つまり条項を設けた事業者に生ずる平均的な損害。
読むとき業界の一般的な水準ではなく、自社の取引の事情(費用の構造、再販のしやすさなど)が出発点になる。
「超える部分」
無効になるのは、平均的な損害を超える部分。
読むとき条項全体が無効になるわけではないが、超過部分を事業者が請求することはできなくなる。
条文は e-Gov 法令検索で参照できます。
9条1項1号の「解除」には、消費者がキャンセルする場合に限らず、契約の解除に伴う金銭の支払が広く含まれます。これに対して、支払の遅れに対する損害金は、同条1項2号が別に制限しています。支払期日の翌日から支払をする日までの期間について、支払うべき額に年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した額を超える部分が無効です。キャンセル料と遅延損害金は、別の条文で別の基準により点検されます。遅延損害金の書き方は、後の節で触れます。
なお、特定継続的役務提供のように、解除した場合に請求できる額を特商法が直接定めている取引では、その法律の上限が優先して働きます(特商法49条2項。消費者契約法11条2項は、他の法律に別段の定めがあるときはその定めるところによるとしています)。対象の見分け方は出口の見分け方のページで整理しています。
区分の立て方:解除の事由と時期で段階を分ける
キャンセル料の設計は、まず区分を立てるところから始まります。区分には大きく二つの軸があります。一つは解除の事由、つまり、誰のどんな理由で解除されたかです。利用者の都合による場合と、事業者の都合や天候など双方に責任のない場合では、事業者に生ずる損害も、請求できる金額も違います。もう一つは時期、つまり、提供の日や開始の日に対して、いつ解除されたかです。時期が提供の日に近づくほど、事業者はすでに費用を使っており、代わりの利用者を見つけにくくなります。
時期による段階の組み立て方(数値は伏せた例)
十分に前の時期
まだ手配や準備が始まっていない時期。事業者に生ずる損害はほとんどなく、再び販売することも容易です。請求しない、または事務処理の実費にとどめる設計が考えられます。
準備が始まる時期
人員の確保や仕入れ、第三者への発注が始まる時期。すでに発生した費用と、第三者へのキャンセル料が損害の中心になります。
直前の時期
手配が完了し、他の利用者に切り替える余地が小さくなる時期。人件費の確保や、再び販売できないことによる損失の割合が高くなります。
当日・無断
提供の機会そのものが失われる時期。ただし、全額とする場合は、その時点で実際に生ずる損害が全額に近いことを説明できる必要があります。
段階の数や日数、割合は、取引ごとの損害の実態から決めます。他社の数値をそのまま使うことはできません。
区分を立てるうえで気をつけたいのは、三つです。一つ目は、区分の境目を、日数の数え方も含めて明確にすることです。「前日」「当日」が暦日か営業日か、通知が事業者に届いた時点で区分を判定するのか、といった点は、キャンセルポリシーの設計のページで扱いますが、金額の区分と同時に決めます。二つ目は、利用者の都合のキャンセルと、事業者の都合の中止とで、条項を分けることです。事業者の事由による場合の返金は事業者都合の返金のページで扱います。三つ目は、前払金の性質を明らかにすることです。預かる金銭が、前払いの対価なのか、手付なのか、予約金なのかで、解除したときの扱いが変わります。民法557条は、買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約を解除できるとしています。ただし、相手方が履行に着手した後はできません。キャンセル料の定めと手付の定めが混在すると、どちらが適用されるのかが分からなくなります。
損害の費目を積み上げる:何を平均的な損害に入れるか
区分ごとの平均的な損害は、費目を分けて積み上げると見えてきます。実務では、次のような費目を検討することが多いでしょう。費目ごとに、その区分で実際に発生しているか、取り戻せるかを確かめます。
平均的な損害を積み上げる費目と考え方
| 費目 | 考え方 | 区分での扱い | 根拠として残す資料 |
|---|---|---|---|
| 人件費・人員の確保 | 担当者を確保した時間、他の予約を断った機会に対応する費用 | 時期が近いほど、他の仕事に振り替えられない割合が高い | 勤務表、予約の埋まり状況の記録 |
| 手配済みの実費 | 仕入れ、場所の確保、備品、材料などですでに支払った費用 | 手配の時点以降に生ずる。取り戻せない部分だけが損害になる | 発注書、請求書、取引先の取消規定 |
| 第三者へのキャンセル料 | 取引先や提携先に支払う取消しの費用 | 取引先の定めに応じて、時期が進むほど増える | 取引先との契約、請求書 |
| 再び販売できないことによる損失 | 空いた枠を他の利用者に提供できなかったことによる、得られなかった対価 | 直前になるほど再販が難しい。再販できた分は差し引く | 予約の履歴、キャンセル待ちの有無、稼働率の記録 |
| 決済に係る費用 | 決済手数料など、取引の成立に伴って生じた費用 | 返金できない費用か、取り戻せる費用かを確かめる | 決済事業者の契約、手数料明細 |
| 事務処理の費用 | キャンセルの受付、返金の処理に要する費用 | 少額で、区分を問わず一定になることが多い | 業務時間の記録 |
表の中でも、「再び販売できないことによる損失」は、考え方が分かれやすい費目です。同じ枠が他の利用者に提供できる取引では、キャンセルがあっても、代わりの利用者が見つかれば、事業者に生ずる損失は小さくなります。逆に、枠が限られ、直前の穴埋めが難しい取引では、損失が大きくなります。ここでの「平均」は、個々のキャンセルではなく、同種の契約が解除されたときに通常どうなるかの見込みです。たとえば、予約の履歴から、直前のキャンセルがどの程度の割合で別の利用者に振り替わっているかを把握しておくと、根拠になります。
もう一つ、損害を数えるときに注意したいのは、同じ損害を二重に数えないことです。人件費を費目に入れたうえで、再販できなかった損失にも同じ人件費を含めてしまうと、見積もりが膨らみます。費目を立てるときは、重なりがないかを確かめます。
算定の順序:根拠を残すための手順
金額を決める前に、手順を決めます。順序を守ると、後から説明を求められたときに、そのまま説明の骨組みになります。
キャンセル料の金額を決める手順
- 取引の流れを書き出す申込みから提供までに、いつ、どんな手配や費用が発生するかを時系列に並べます。
- 区分を立てる解除の事由(利用者の都合、事業者の都合、双方に責任のない事由)と、時期の段階を決めます。
- 区分ごとに費目を積み上げる上の表の費目について、その区分で実際に発生している額と、取り戻せる額を見積もります。
- 再販・代替の可能性を反映する他の利用者への振替や、日程変更で埋まる割合を見込み、取り戻せる分を差し引きます。
- 料率または金額に落とし込む見積もった損害の範囲内で、料率や定額を決めます。端数を丸める場合は、損害の見積もりを超えない側にします。
- 資料を保存する見積もりに使った記録を、見直しの日付とともに保存します。後から説明を求められたときに使います。
- 見直す日を決める取引の費用構造が変わったとき、実際のキャンセルの傾向が変わったときに、区分と金額を見直します。
「損害の一部を補う額」と「超過分は別途請求」の併記:整合を点検する
キャンセル料の条項に、「本キャンセル料は、当社に生じる損害の一部を補うものであり、これを超える損害が生じた場合は、別途請求できます」といった付記を置くことが、多くの契約書で見られる傾向があります。この書き方には、整合の点検が必要です。
民法420条1項は、当事者が債務不履行について損害賠償の額を予定できるとし、3項は、違約金は賠償額の予定と推定するとしています。賠償額の予定は、一般に、実際の損害額が予定額より多くても少なくても、予定額で決着させるという意味を持つと理解されています。キャンセル料を予定額として定めておきながら、超過分は別途請求できると付記すると、キャンセル料が賠償額の予定なのか、損害の内払いなのかが曖昧になります。また、消費者契約法9条1項1号は、予定額や違約金を合算した額が平均的な損害を超えない範囲を求めていますから、キャンセル料を平均的な損害の範囲に収めたと説明しながら、さらに超える損害を請求できるとする書き方は、説明が矛盾して見えます。
では、どう整理するか。選択肢は二つです。一つは、キャンセル料を、平均的な損害の範囲内で定めた予定額として扱い、「このほかには請求しない」と明記する方法です。もう一つは、キャンセル料を定額で定めず、実際に生じた損害を、費目と基準を示して請求する方法です。後者は、利用者に請求額の根拠を示す必要があり、運用の負担が大きくなります。
書き方の例(一般的な例) キャンセル料の付記の整え方
超過分の請求
理由予定額と超過請求の併記は、予定額の意味を曖昧にし、9条1項1号の説明とも整合しにくい。予定額で完結させる。
返金からの控除
理由一律の控除は、実費との乖離を問われやすい。実費の範囲に限り、明細を示せるようにする。
区分の定め
理由全額とするなら、その時点の損害が全額に近いことを説明できる必要がある。区分ごとに根拠を持たせる。
条文例キャンセル料の条項
- 会員が、前条の区分に応じて定める期限までに申し出ずにキャンセルした場合、会員は、別表に定めるキャンセル料を当社に支払う。
- 前項のキャンセル料は、当社が提供の準備のために支出した費用、第三者に支払うキャンセル料、および当該提供の機会を他の会員に振り替えることができないことにより通常生ずる損害を勘案して、別表の区分ごとに定めたものである。
- 当社は、第1項のキャンセル料のほか、キャンセルを理由とする損害賠償を請求しない。
- 会員から、キャンセル料の算定の根拠について説明を求められたときは、当社は、その概要を説明する。
書き方の例(一般的な例)です。別表の区分と料率は、取引の実態から決めます。
説明の求めと算定根拠:9条2項、12条の4、遅延損害金
事業者は、消費者に対し、解除に伴う損害賠償の額の予定や違約金の定めに基づいて請求する場合に、消費者から説明を求められたときは、その算定の根拠(法律の用語で「算定根拠」)の概要を説明するよう努めなければなりません(消費者契約法9条2項)。努力義務ですが、請求の場面で説明を求められる以上、説明できる状態にしておく必要があります。前の節の手順で残した資料が、そのまま使えます。条文が求めているのは算定根拠の「概要」の説明なので、費目と考え方の概要を示せる状態にしておけば足ります。
また、適格消費者団体は、解除に伴う損害賠償の額を予定する条項や違約金を定める条項について、合算した額が平均的な損害の額を超えると疑うに足りる相当な理由があるときは、事業者に対し、理由を示して、その条項に係る算定根拠を説明するよう要請できます(12条の4第1項)。事業者は、算定根拠に営業秘密が含まれる場合その他の正当な理由がある場合を除き、この要請に応じるよう努めなければなりません(同条2項)。つまり、算定根拠は、個々の利用者だけでなく、団体からも説明を求められることがあります。
次に、支払の遅れに対する損害金です。9条1項2号は、消費者が支払期日までに金銭を支払わない場合の損害賠償の額の予定や違約金が、支払期日の翌日から支払をする日までの期間について、支払うべき額に年十四・六パーセントの割合を乗じた額を超えるときは、その超える部分を無効としています。この号は、解除に伴う金額を定める1号とは別の問題で、キャンセル料の未払いに対する遅延損害金にも関係します。「年十四・六パーセント」は、超えてはならない上限であって、これを下回る率を定めることは自由です。ただし、利用者に一方的に不利に働く運用は、10条で点検します。遅延損害金の条項は、キャンセル料の条項とは別の項に書き、両者を混在させません。
確認の問いと、起きがちなこと
確認の問いと理由キャンセル料の根拠を点検する問い
キャンセル料の区分は、解除の事由と時期の両方で立てていますか。
区分が粗いと、損害の小さい場面にも高い金額が適用され、超える部分が生じます。
各区分の金額は、その時点で実際に発生する費用と、取り戻せない損失の範囲内ですか。
平均的な損害を超える部分は無効になります。見積もりの根拠を、区分ごとに説明できるかを確かめます。
再び販売できた場合や、日程の振替で埋まった場合の扱いは決まっていますか。
取り戻せた分は、損害から差し引きます。振替の実績を記録しておくと、根拠になります。
「損害の一部」「超過分は別途請求」の付記が残っていませんか。
予定額の意味が曖昧になり、平均的な損害の範囲に収めたという説明とも矛盾します。
返金から差し引く手数料は、実費の範囲ですか。
一律の控除は、実費との乖離を問われやすくなります。
説明を求められたとき、費目と考え方の概要を、すぐに示せる資料がありますか。
9条2項は、算定根拠の概要を説明する努力義務を定めています。見直しの日付つきで保存しておきます。
起きがちなこと
- 他社の割合をそのまま写し、自社の費用の構造と合っていない。
- 日数の境目だけが細かく、金額の根拠が説明できない。
- 「全額」を安易に採用し、その時点の損害が全額に近いことの説明がない。
- 前払金の性質が曖昧で、手付、予約金、前払いの対価のどれなのかが分からない。
- キャンセル料と遅延損害金が同じ項に混在し、どの上限で見るべきかが不明確になっている。
- 見積もりに使った記録を残していない。説明を求められてから、記録をさかのぼって整える。
- 取引の内容が変わったのに、区分と金額が古いまま残っている。
金額が整ったら、「返金しない」条項の分解で、返金しない範囲との関係を点検し、全体の設計の順序に戻って、手続と表示の食い違いを確かめます。
よくあるご質問
キャンセル料は、何割まで取れますか。
法律に一律の上限の割合はありません。消費者契約法9条1項1号は、解除の事由や時期などの区分に応じて、同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分を無効とします。そのため、区分ごとに、人件費、手配済みの実費、第三者に支払うキャンセル料、再び販売できないことによる損失などを積み上げ、その範囲内で割合や金額を決めます。他社の数値は基準になりません。
「当日は全額」と定めるのは無効ですか。
直ちに無効とは限りません。平均的な損害の額を超える部分が無効になるので、当日のキャンセルで、実際に事業者に生ずる損害が全額に近いと説明できるなら、全額としても、超える部分は生じません。ただし、費用が発生しておらず、代わりの利用者を見つけやすい取引で全額を定めると、超える部分があると判断される可能性が高くなります。区分ごとの根拠を残しておくことが大切です。
消費者からキャンセル料の根拠を聞かれたら、答える義務がありますか。
事業者は、消費者から説明を求められたときは、損害賠償の額の予定や違約金の算定の根拠の概要を説明するよう努めなければなりません(消費者契約法9条2項)。努力義務ですが、説明できる資料を持っておく必要があります。適格消費者団体も、平均的な損害を超えると疑うに足りる相当な理由があるときは、算定根拠の説明を要請できます(12条の4)。
キャンセル料に「超過分は別途請求できる」と付記してもよいですか。
付記は避けるほうが安全です。キャンセル料が賠償額の予定なのか、損害の一部の内払いなのかが曖昧になり、平均的な損害の範囲に収めたという説明とも矛盾して見えます。キャンセル料を平均的な損害の範囲内の予定額として定め、「このほかに請求しない」と書く方法が、整合しやすい書き方です。
支払の遅れに対する遅延損害金は、何パーセントまで定められますか。
消費者契約法9条1項2号は、消費者が支払期日までに金銭を支払わない場合の損害賠償の額の予定や違約金について、支払期日の翌日から支払をする日までの期間につき、支払うべき額に年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した額を超える部分を無効としています。これは上限であり、これより低い率を定めることはできます。キャンセル料の条項とは別の項に書きます。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、取引の内容や契約の経緯によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索で参照できます。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 特定商取引法ガイド / 国民生活センター