このページの要点
- 申込みの最終画面に、各回の金額・回数・更新・解約の条件を表示する(特定商取引法12条の6)。誤認させる表示による申込みは取り消される(15条の4)。
- 締め日は、間に合った場合と間に合わなかった場合を確定した文で書く。日割りをしないなら、期間の末日まで利用できるようにする。
- 自動更新は更新前の通知と停止の期限を設ける。料金改定は効力発生時期を定めて周知する(民法548条の4)。
- 解約を難しくしない。解除権の行使に必要な情報の提供は事業者の努力義務(消費者契約法3条1項4号)。
結論:表示・締め日・日割り・更新の通知・料金改定・解約の手続を、そろえて設計する
月額や年額で提供するサービスは、一度申し込まれると、毎月または毎年、自動で更新されます。解約が簡単にできるか。いつまでに申し出ればよいか。解約した月の料金は返ってくるか。値上げの通知はいつ届くか。この領域の争いの多くは、「知らされていなかった」「分かりにくかった」という形で起きます。規約の文言だけでなく、申込み画面の表示、契約後の通知、解約の手続の設計が、そろっているかが見られます。
結論は、次の六つです。
- 申込み画面に、継続の条件を表示する。通信販売で申込みを受ける画面には、分量、代金、支払の時期、提供の時期、申込みの期間、申込みの撤回・解除に関する事項を表示する(特定商取引法12条の6第1項)。誤認させる表示は禁止され(同条2項)、誤認による申込みは取り消される(15条の4)。
- 締め日は具体的に書く。「場合があります」ではなく、申出が間に合った場合と間に合わなかった場合を、条文で分けて書く。
- 日割りをしないなら、期間の末日まで利用できるようにする。対価と提供がそろうように書く。
- 自動更新には、更新前の通知と停止の期限を設ける。特に年額などの長期の更新では、停止の機会を確保する。
- 料金改定は、効力発生時期を定めて周知する。定型約款の変更の手続(民法548条の4)に沿って行う。
- 解約を難しくしない。解除権の行使に必要な情報の提供は、事業者の努力義務(消費者契約法3条1項4号)。
解約の受付の窓口、受付時間、効力が生じる時点は解約の受付窓口・方法・効力発生時点の決め方で、広告・申込み画面・規約・特商法表記の整合は広告・申込み画面・規約・特商法表記で解約条件をそろえるで扱います。なお、特定商取引法の通信販売の規定は、営業のために、または営業として契約する相手には適用されません(26条1項1号)。事業者向けの継続契約は消費者か事業者かで変わる解約条項の効き方で別に整理します。
申込み画面と広告に表示すること
継続課金の設計は、規約の前に、表示から始まります。通信販売では、広告に表示すべき事項と、申込みの最終段階の画面に表示すべき事項が、法律で定められています。
通信販売の継続課金に関わる主な条文
特定商取引法11条
通信販売の広告に、販売価格・対価、支払の時期・方法、引渡時期・提供時期、申込みの期間、申込みの撤回または解除に関する事項(5号)などを表示する。
読むとき5号の「申込みの撤回または解除に関する事項」に、継続契約の解約の条件が含まれるかを読むときの出発点になる。
特定商取引法12条の6第1項
特定申込みを受ける際、申込みの書面や画面に、分量と、11条1号から5号までの事項を表示しなければならない。
読むとき申込みの最終段階の画面が対象。広告に書いてあるだけでは足りない。
特定商取引法12条の6第2項
特定申込みに係る書面や画面で、申込みとなることにつき人を誤認させる表示と、前項の事項につき人を誤認させる表示をしてはならない。
読むとき「申込み」ボタンの表示や、無料・割引の表示が、継続の条件を隠していないかが見られる。
特定商取引法15条の4
12条の6の違反(不実の表示、表示しないこと、誤認させる表示)により誤認して特定申込みをした者は、その意思表示を取り消すことができる。
読むとき取消権の行使期間などは、9条の3第2項から第5項までが準用される。
特定商取引法施行規則23条7号・24条3号
広告に、二回以上継続して契約する必要があるときは、その旨と金額、契約期間などを表示する。申込みの撤回・解除に関する事項は、顧客にとって見やすい箇所に、明瞭に判読できるように表示する。
読むとき表示の場所と見やすさも、要件に含まれる。
具体的な表示の方法は、消費者庁の特定商取引法ガイドなどの公表資料で、原文を確認してください。
継続課金で特に問題になるのは、申込み画面の表示と、継続の条件のずれです。たとえば、初回の金額だけが大きく表示され、2回目以降の金額や、契約が自動で更新されること、解約の条件が目立たない場所に小さく書かれている場合です。12条の6の趣旨は、申込みの最終段階の画面で、顧客が契約の内容を確認できるようにすることです。継続する契約では、各回の金額、回数または期間、総額、更新の条件、解約の条件を、申込みの前に確認できる状態に置くことが重要です。
申込み画面の点検
- 初回の金額だけでなく、2回目以降の金額と回数(または期間)が、同じ画面で確認できる。
- 契約が自動で更新されること、更新の周期(月、年)が、目立つ場所に表示されている。
- 支払の時期と方法、サービスの提供の時期が表示されている。
- 解約の条件(締め日、方法、解約後の扱い)が、申込みの前に確認できる場所にある。
- 申込みとなるボタンが、申込みであることが分かる表示になっている。
- 「無料」「割引」などの表示が、継続の条件を隠していない。
特に、初回が無料または割引で、その後に有料の更新へ自動で移る設計では、表示の誤認が争点になります。無料期間の終了日、終了後の料金、無料期間中に解約しなければ有料に移ること、解約の期限を、申込みの前に確認できる場所に置きます。「無料で試す」というボタンの表示だけが目立ち、有料に移る条件が申込みの最終段階の画面にないと、12条の6第2項の誤認させる表示に当たり得ます。誤認によって申込みをした利用者は、15条の4により、その意思表示を取り消すことができます。
無料期間から有料への移行では、移行前の通知も有効です。無料期間の終了の前に、終了日、移行後の料金、解約の方法と期限を通知しておくと、利用者が停止の機会を得られます。
広告の表示は、検索結果の広告、SNSの広告、ランディングページなど、複数の媒体にまたがります。媒体ごとの表示事項の確認は、別のガイドで扱います。
解約の締め日と、翌月分の課金
継続課金の争いの中心にあるのが、解約の締め日です。月の途中に申し出た解約が、その月の料金にも、翌月の料金にも及ぶのか。締め日を過ぎた申出は、いつの分から効くのか。ここが決まっていないと、毎月のように、解約の申出と請求の食い違いが起きます。
解約の締め日の型
| 型 | 内容 | 利点 | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| 更新日基準型 | 次の更新日の前日までに申出が完了すれば、次回の更新分から課金を停止する | 利用者ごとの更新日が基準で、分かりやすい | 更新日が利用者ごとに違うため、更新日をマイページなどで確認できるようにする |
| 月末締め型 | 当月末までに申出が完了すれば、翌月分から課金を停止する | 事業者の処理が簡単 | 月末の営業時間外の申出の扱い(受信時刻を基準にするなど)を決める |
| 特定日締め型 | 毎月の特定の日までに申出が完了すれば、翌月分から課金を停止する | 請求処理の締めに合わせられる | 特定日を過ぎた申出の扱い(翌々月分からになる)が不利益になりやすい。表示を目立たせる |
| 即時停止型 | 申出が完了した時点で解約が成立し、当月分の期間の末日まで利用できる | 利用者に分かりやすい | 日割りで返金しない場合は、末日まで利用できることとセットで書く |
どの型を選ぶにしても、書き方で避けたいのは、「場合があります」という曖昧さです。たとえば「毎月○日までに申請が完了した場合に限り、翌月以降の課金を停止します。○日を経過した後に申請がなされた場合は、翌々月以降の課金停止となる場合があります」という書き方は、締め日の前の申出が効くことは分かりますが、締め日の後の申出の扱いが「場合があります」で、確定していません。利用者は、翌月分が請求されるのか、されないのかが分からないまま申し出ることになります。
書き方の例(一般的な例) 締め日の書き方
締め日の前後の扱い
理由締め日の前後の結論を、「場合がある」ではなく確定した文にする。完了の通知を送る旨まで書くと、申出の時期を後から確認できる。
締め日には、請求のしくみが関わります。クレジットカードで決済している場合、カード会社への請求は、サービスの提供期間の前に確定していることがあります。そのため、締め日を、請求の確定の前に置く必要がある場合があります。締め日を決めるときは、決済の処理の都合と、利用者が申出をしやすい日との両方を見ます。
もう一つは、受信時刻の基準です。締め日の直前の夜間に送られた申出が、翌日の受付として扱われ、締め日を過ぎたことになると、利用者の不利益が大きくなります。申出の到達の時点を、受信した時刻とし、受信の記録(メールの受信日時、フォームの送信完了の記録)を基準にするのが整合的です。到達の考え方は、キャンセルポリシーの型と起算点の決め方でも整理しています。
締め日は、規約だけでなく、申込み画面、契約後の確認メール、マイページ、解約の手続の画面に、同じ内容で表示しておきます。表示ごとに言い回しが違うと、どれが正しいのかが分からなくなります。
もう一つの設計の論点は、更新の直後に気づいた利用者の扱いです。締め日を更新日の前日に置くと、更新日の当日に更新を知った利用者は、その更新の期間の料金を支払うことになります。更新を知らなかった利用者への配慮として、更新後の一定の期間内の申出は、その更新分を返金する、という設計もあります。これを置くかどうかは事業者の選択ですが、置く場合は、期間の数え方と返金の方法を、締め日の条項と同じ箇所に書いておくと、運用がぶれません。
日割りなしの書き方:対価と提供をそろえる
月額のサービスで、解約時に日割りの返金をしない取り扱いは、一般的に見られます。月額は、その月の期間の対価として設定されているので、期間の途中で解約しても、その月の分は返金しない、という考え方です。この考え方は成り立ちますが、書き方の前提があります。それは、解約しても、その月の期間の末日までは、サービスを利用できるようにすることです。
日割りの返金をしないのに、解約した瞬間にサービスが使えなくなると、残りの期間の対価だけを受け取って、提供はしない形になります。これは、提供のない部分の対価を保持する形であり、消費者契約法10条の審査を受けます。日割りをしないなら、「解約後も、当月の末日まで利用できます」と書いておくのが整合的です。
課金の型ごとの、解約時の返金の考え方
| 課金の型 | 解約時の考え方 | 書き方の要点 | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| 月額の前払い | 当月分の期間の末日まで利用できる。日割りの返金はしない | 解約後も当月末まで利用できる旨を書く | 解約と同時にアクセスを止める場合は、日割りの返金か、利用を止めない扱いかを決める |
| 月額の後払い | 利用した期間の分を請求する | 最後の請求の対象期間を明確にする | 解約日の翌日以降の請求が生じないことを書く |
| 年額の前払い | 未経過の期間について、月割りで返金するか、返金しないかを決める | 返金しない場合は、年額の割引の対価であることを理由として書く | 年額の割引分を理由に、中途解約時に月額の定価で再計算して請求する書き方は、解除に伴う違約金として審査される(消費者契約法9条1項1号) |
| 回数券・チケット | 未使用の回数を、期限内に使えるようにする。払戻しの有無を決める | 期限と、払戻しの扱いを書く | 期限切れの回数の扱いは、返金の区分と整合させる |
年額プランでは、中途解約の際の精算が特に問題になります。年額は、月額に比べて割引されているのが普通です。中途解約のときに、割引を取り消して月額の定価で再計算し、既に払った年額との差額を請求する書き方があります。この差額は、解除に伴って支払う違約金として働くので、消費者契約法9条1項1号の審査を受けます。割引の精算を設けるなら、割引が年額の契約の継続を前提としたものであること、再計算の方法、差額が事業者に生ずる損害に見合うことを、説明できるようにしておきます。
自動更新の通知と、停止の期限
自動更新のサービスでは、利用者が何もしなければ、契約が更新されます。消費者契約法10条は、無効になる条項の例として、消費者の不作為をもって新たな消費者契約の申込みまたはその承諾の意思表示をしたものとみなす条項を挙げ、これらの条項のうち、民法1条2項の基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効とします。自動更新の条項が直ちに無効になるわけではありませんが、更新の条件、更新前の通知、停止の機会が整っているかが、信義則に反するかどうかの判断で見られます。
更新前の通知は、特に年額などの長期の更新で重要です。通知には、次の事項を含めます。
- 更新される日と、更新後の期間。
- 更新後の料金(改定がある場合は、改定後の金額)。
- 更新を停止する方法と、停止の期限。
- 停止の期限を過ぎた場合の扱い。
通知の時期は、停止の期限より前に置きます。停止の期限の直前に通知しても、利用者が対応できません。更新日の一定期間前に通知し、停止の期限をその後に置くのが、基本の並びです。通知の手段は、利用者が受け取りやすいものを選び、届かなかった場合に備えて、通知の記録を残しておきます。
確認の問いと理由自動更新の条項を見直すときの問い
更新の周期と、更新後の料金が、申込みの前に確認できますか。
更新の条件は、申込み画面と規約の両方に表示する。申込み画面に表示がなければ、特商法の取消しの問題にもなり得る。
更新の前に、利用者へ通知していますか。
何も通知せずに更新すると、利用者が停止の機会を得られない。年額などの長期の更新ほど、通知が重要。
停止の期限は、通知の後に置かれていますか。
通知の時期が停止の期限と同時か後だと、停止の機会がなくなる。
更新を停止する手続は、申込みと同程度の手間で行えますか。
申込みはワンクリックで、停止は電話のみ、という非対称は、解約を難しくしていると見られる。
条文例継続利用契約の更新と解約(書き方の例)
- 本サービスの利用契約は、申込者が申込みの際に選択した期間(○か月または○年)を単位として、更新日に自動で更新されます。更新後の料金は、申込みの際に表示した金額とします。
- 当社は、更新日の○日前までに、更新される日、更新後の料金、退会の方法を、申込者に通知します。
- 申込者は、更新日の前日までに第○条の方法で退会の申請を完了することにより、次回の更新分から課金を停止することができます。更新日の前日までに申請が完了しなかった場合は、次回の更新が行われ、その更新に係る期間の末日まで契約が継続します。
- 申込者が退会の申請を完了したとき、当社は、完了の日時と、課金を停止する更新日を、申込者に直ちに通知します。
- 退会後も、申込者は、既に料金を支払った期間の末日まで、本サービスを利用することができます。当社は、日割りによる返金を行いません。
更新の周期、通知の時期、締め日、退会後の利用、日割りの扱いを、一つの条にまとめた例です。申込み画面の表示と、同じ内容にそろえておく前提です。
料金改定の周知:効力発生時期と、解約の機会
継続課金のサービスでは、サービスの途中で料金を改定する場面があります。値上げの場合、利用者が個別に同意していなくても、規約の変更で料金を変えられるのかが問題になります。
多くの利用規約は、不特定多数の相手に画一的に使う条項の総体であり、定型約款に当たると考えられます。定型約款の変更について、民法548条の4第1項は、変更が相手方の一般の利益に適合するとき、または、変更が契約をした目的に反せず、かつ変更の必要性、変更後の内容の相当性、変更をすることがある旨の定めの有無とその内容などに照らして合理的なときに、個別に合意をしなくても契約の内容を変更できると定めています。値上げは通常、後者の要件で判断されます。
そして、変更をするときの手続も定められています。定型約款準備者は、変更の効力発生時期を定め、変更する旨と変更後の内容、効力発生時期を、インターネットの利用その他の適切な方法で周知しなければなりません(同条2項)。後者の要件による変更は、効力発生時期が到来するまでに周知をしなければ、効力を生じません(同条3項)。定型約款の合意をしたとみなす際の不当条項の規制(548条の2第2項)は、変更には適用されないとされています(548条の4第4項)。
料金の改定を周知するだけで足りるのか、利用者に解約の機会を与えるべきかは、設計の問題です。改定の効力発生時期の前に解約の締め日を置き、改定を知った利用者が、改定前の料金で最後の更新を迎えられるようにしておくと、周知の趣旨に合います。「改定の後に利用を続けたときは、同意したものとみなす」という書き方は、実質的に不作為で同意をみなす条項になるので、周知と解約の機会があって初めて成り立つ書き方です。
規約に価格の変更の定めがあっても、個別の契約書で価格を定めている場合は、その価格は個別の合意の内容であり、約款の変更の手続だけでは変えられないことがあります。どの書類に価格が書かれているのか、価格を変えるための手続が何かを、申込みの時点で決めておきます。
年額の前払いを受けている利用者の途中で料金を改定する場合は、既に支払われた期間には改定前の料金を適用し、次の更新から改定後の料金を適用する、という分け方が、周知とも解約の機会とも合います。改定の効力が、支払済みの期間にまで及ぶと読める書き方は、避けます。
料金改定の手順
- 改定の必要性と内容を整理する改定の理由、改定後の料金、対象となる利用者の範囲を決める。
- 効力発生時期を定める周知の後、利用者が対応できる期間を置いた日を、効力発生時期にする。
- 周知する規約を掲載するサイトでの掲載と、利用者へのメールなど、複数の方法を使う。変更する旨と、変更後の内容、効力発生時期を明示する。
- 解約の機会を確保する効力発生時期の前に解約の締め日を置き、改定に納得しない利用者が解約できるようにする。
- 周知の記録を残す周知の日時、方法、内容を記録する。
解約に必要な情報の提供と、解約を難しくしない設計
消費者契約法3条1項4号は、事業者に、消費者の求めに応じて、消費者契約により定められた消費者の解除権の行使に関して必要な情報を提供するよう努める義務を定めています。これは努力義務であり、直ちに無効や取消しの根拠になる規定ではありません。けれども、解約を求められたときの案内の整え方として、重要な指針になります。
解約を難しくする設計は、争いのもとです。解約のページがマイページの奥にある。解約の手続が電話のみで、営業時間が短い。解約の前に、引き止めの画面が何段階も続く。ログイン情報を忘れた人が、解約の手続に進めない。こうした設計は、利用者が解約の意思を持っているのに、手続が完了しない状態を作ります。申込みと同程度の手間で解約できるようにすること、解約の方法を申込み前に確認できること、ログインできない人にも本人確認の上で受け付ける道があることが、設計の目安になります。解約の窓口と効力の詳細は解約の受付窓口・方法・効力発生時点の決め方で扱います。
また、解約の理由を聞くことは、事業者にとって有益ですが、理由の回答を解約の要件にすると、解約を妨げる設計と見られます。理由の聴取は、解約の手続が完了した後に任意で行う位置づけにしておくと、解約を妨げる設計にならずに済みます。
起きがちなこと
継続課金の解約で起きがちな食い違いを挙げます。多くの契約書で見られる傾向として挙げる一般的な例です。
起きがちなこと
- 申込み画面では初回の金額だけが目立ち、2回目以降の金額や自動更新の条件が小さく書かれている。
- 解約の締め日が規約にだけ書かれ、申込み画面やマイページに表示がなく、締め日を過ぎた申出が翌々月分に及んで争いになる。
- 締め日の後の扱いが「場合があります」と書かれており、請求されるかどうかが確定しない。
- 日割りの返金をしないのに、解約と同時にサービスが使えなくなる。
- 年額プランの中途解約で、割引を取り消して定価で再計算した差額を請求する書き方になっている。
- 自動更新の前に通知がなく、停止の機会が得られないまま更新される。
- 料金改定を、周知の前に実施する、または、周知と同時に効力を生じさせる。
- 解約の手続が電話のみで、営業時間が短く、申込みの手間と釣り合っていない。
取引全体の設計の順序は解約・返金の規定づくりの全体地図にまとめています。
よくあるご質問
月額の会員で、解約の締め日を過ぎて申し出た場合、翌月分は請求できますか?
契約で締め日が明確に定められ、申込みの前に利用者が確認できる状態にあったなら、締め日を過ぎた申出は次の更新分に及ぶ、という整理が基本になります。ただし、締め日が規約の奥にしか書かれていない、申込み画面に表示がない、解約の窓口が分かりにくい、といった事情があると、請求の根拠が争われます。通信販売で申込みを受ける場合は、申込みの最終段階の画面に、申込みの撤回・解除に関する事項を表示する必要があります(特定商取引法12条の6第1項、11条5号)。
日割りで返金しない場合、解約後はいつまで利用できるようにしておくべきですか?
当月の期間の末日まで利用できるようにしておくのが整合的です。日割りの返金をしないのは、月額が期間の対価であるという考え方によるものなので、解約と同時にアクセスを止めると、残りの期間の対価を受け取りながら提供はしない形になります。解約後も当月末まで利用できる旨を書いておくと、日割りなしの理由と運用がそろいます。
年額プランを途中で解約するとき、返金は必要ですか?
返金の有無は、契約でどう定めるかによります。月割りの返金を出発点にして、年額の割引の精算を設ける設計と、割引の対価として返金しない設計があります。どちらでも、返金しない理由や、割引の精算の方法を、利用者が申込みの前に確認できるようにしておく必要があります。割引を取り消して定価で再計算する書き方は、解除に伴う違約金として働くので、消費者契約法9条1項1号の審査を受けます。
自動更新の通知は、メールだけでもよいですか?
このページで取り上げた条文は、更新前の通知の手段をメールに限るかどうかを一律に定めていません。大切なのは、利用者が受け取りやすい手段を選び、停止の期限より前に通知し、通知の記録を残すことです。メールアドレスが変わっている利用者や、メールが届かない利用者に備えて、マイページでの掲示などの手段を併用しておくと、通知が届かなかったという争いを減らせます。
料金を値上げするとき、利用者全員の同意が必要ですか?
利用規約が定型約款に当たる場合は、民法548条の4第1項の要件を満たせば、個別の合意をしなくても、契約の内容を変更できます。値上げは、契約をした目的に反せず、変更の必要性、変更後の内容の相当性、変更をすることがある旨の定めなどに照らして合理的であることが必要です。そして、効力発生時期を定め、変更する旨と変更後の内容を周知する必要があり、効力発生時期の前に周知しなければ、効力を生じません(同条2項・3項)。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、取引の内容や契約の経緯によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索で参照できます。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 特定商取引法ガイド / 国民生活センター